機能性表示食品で重要なのは機能性関与成分について知ること

機能性表示食品はきっと健康のために良い成分が入っているから選びたいと思っている人も多いでしょう。

特定保健用食品や栄養機能食品と並んで、魅力が高い食品としてよく着目されています。機能性表示食品を選ぶときには機能性関与成分について知ることが重要なので、この記事では機能性関与成分とは何かを詳しく解説します。

機能性表示食品におけるバリデーションとは

機能性表示食品の機能性関与成分とは

機能性表示食品の機能性関与成分とは、その食品の中に含まれている成分の中で、食品のパッケージなどに表示されている機能性を発揮するのに関与している成分です。機能性表示食品は届出をして認められると、認可を受けた文言をパッケージなどに表示できます。

その文言が健康に良い意味合いのものになっていて、効果があると消費者に理解してもらえるようになっています。企業としては機能性を消費者にアピールすることで、健康に関心のある人や心身に悩みを抱えている人に選んでもらいやすいのがメリットです。

そのため、機能性表示食品の開発に精力的に取り組む企業が増えています。食品にはさまざまな成分が含まれていて、その総合的な影響によって心身に影響を及ぼします。

機能性関与成分はその中でも効果につながることが示されている成分なのが特徴です。

医薬品で言えば有効成分に相当するものだと考えると良いでしょう。実際には医薬品にはさまざまな添加物が使用されています。添加物は効果効能を補助することはあっても、それ自体が効果効能を持っているわけではありません。

投与して効果が出る理由は有効成分が含まれているからです。機能性関与成分は機能性表示食品における有効成分と捉えると重要性を理解しやすいでしょう。

機能性関与成分は栄養成分ではない

機能性表示食品には栄養成分も当然ながら含まれています。栄養成分には炭水化物、脂質、たんぱく質、ビタミン、ミネラルがあります。人が生きていくために欠かせない五大栄養素とも言われているものです。当然ではあるものの、このような栄養素の摂取によって健康は促されることになります。

脂質やビタミンAなどのように摂取しすぎが問題になるものもありますが、ビタミンCやビタミンB群のように水溶性でかなり過剰摂取をしても対外に排泄されるので健康に悪影響をもたらしにくいものもあります。栄養成分も機能性を持つのは確かで、ビタミンAは目の健康に良い、ビタミンCは免疫機能に重要だということも知られるようになってきました。

ただ、機能性表示食品に含まれている機能性関与成分は栄養成分以外と定められています。一般的な食品なら多かれ少なかれ栄養成分は含まれているので、どれもが機能性表示食品になってしまうからです。特に健康に寄与する栄養成分で、日常の食事で不足しがちなものが豊富に含まれている食品もあります。

この場合には機能性表示食品ではなく栄養機能食品に分類されます。

機能性関与成分の機能性には根拠がある

機能性表示食品の機能性関与成分についてどんな機能性があるのかを商品のパッケージなどに表示できるのは科学的根拠があるからです。消費者庁に機能性表示食品の届出をするときには科学的根拠の調査または臨床試験の実施が求められます。

科学論文などの文献調査をルールに従って実施し、機能性関与成分が確かに人に対して影響をもたらしたデータがあることを示すのが一般的な方法です。それとは別に自社で人を対象とする臨床試験を実施して効果の有無を判定しているケースもあります。

どちらの方法を選んでいるかは企業によって違いますが、根拠が明確でなければ機能性表示食品の届出をしても受理されることはありません。

機能性関与成分の根拠は届出者が責任を負っている

消費者庁では企業から機能性表示食品の届出を受け付けて、内容を確認して受理しています。医薬品の承認プロセスに近いと思われがちですが、医薬品とは違って機能性表示食品の有効性は国が保証はしていません。あくまで企業が着目した機能性関与成分が含まれている食品について、企業が示す文言の表示をして消費者が誤解を生まないことを判断しています。

科学的根拠が正しいものかどうかも踏み入って確認していますが、医薬品の承認プロセスに比べると簡単な調査しかしていません。これは機能性関与成分の機能性の根拠は届出者が責任を負う仕組みにしているからです。もし効果がなかったり、想定外の悪影響があったりしたときには、国や消費者庁ではなく、届出者の企業が責任を負います。

このような仕組みにすることで医薬品などよりもスピーディーに機能性表示食品として受理することができ、消費者にとってメリットが大きい食品を世の中に出しやすくすることができます。大した効果がないのに大げさな広告のような表示をして消費者の誤解を招かないようにするために、消費者庁は歯止めをかける役割を果たしているだけなのです。

機能性表示食品と機能性関与成分のどちらに効果があるかを見よう

機能性表示食品の機能性関与成分に効果があるなら、その成分を含有しているものを食べれば健康効果があるのではないかと思う人もいるでしょう。しかし、機能性関与成分をどのくらい摂取すれば良いのか、他の食品に含まれている場合でも表示されているような効果があるのかはケースバイケースです。

本当にその機能性関与成分だけの効果で健康になる作用があるなら他の食品から摂取しても効果を期待できるでしょう。しかし、食品中に含まれている成分と相乗効果を発揮してより良い結果につながっている可能性もあります。

機能性表示食品の届出をするときに必要な科学的根拠は機能性表示食品そのものでも、機能性関与成分でも構いません。製品としての機能性表示食品を臨床試験で人に食べたり飲んだりしてもらったら効果があったという場合にも機能性表示食品として認められます。

機能性関与成分について文献情報を根拠として効果があると示し、機能性表示食品にすることも可能です。どちらの方法で機能性表示食品として認められているかによって成分への期待度には違いが生じます。

機能性表示食品を販売するための届出やガイドラインについて

機能性表示食品を選ぶときには機能性関与成分を確認しよう

機能性表示食品は機能性関与成分が含まれていることで商品パッケージに表示されている作用を期待できるのが特徴です。

科学的根拠があるので信用できますが、その機能性表示食品を食べなければならないのか、機能性関与成分さえ含まれていれば他の食品でも良いのかはケースバイケースです。根拠をよく確認してから食品を選ぶようにしましょう。